歯周病の症状と治療・予防方法

歯周病治療periodontal disease

2019年3月5日掲載 / 2020年1月12日更新

歯周病とは

口の中には様々な種類の歯周病細菌が生息しています。

歯周病とはこれらの細菌によって、歯を支えている骨や歯肉が破壊されていく疾患のことです。

現在、日本人の成人約８０パーセントが歯周病になっているといわれており、日本人が歯を失う最大の原因となっています。

歯周病になる原因
　

歯周病を予防する方法
　

歯周病治療

歯周病になる原因

口の中に生息している歯周病細菌だけで歯周病になることはありません。

口の中の細菌と食事で口に入れた食べ物とが合わさることによって、歯周病の原因となるプラークができます。

このプラークは歯を支えている歯周組織を炎症させます。

そして人間の体はその炎症に対して原因を排除するべく防御反応を引き起こします。

この防御反応によってその原因とともに歯周組織も一緒に破壊されてしまうのです。

歯周病を予防する方法

○ プラークコントロールの実践
プラークコントロールは歯周病の原因であるプラークを減らしていくことです。

具体的には歯磨きやデンタルフロス、歯間ブラシなどで歯に付いたプラークを徹底的に取り除くことを指します。

しかし、個人で完璧なプラークコントロールを目指しても、なかなかうまくいかないのが一般的といえます。

したがって、プラークがたまりやすい人は定期的に歯科医院に通院して専用の医療器具（スケーリング・ルートプレーニングなど）を用いてプラークを専門的に取ってもらうべきでしょう。

○ 生活習慣の見直し
歯周病の原因となるプラークは、食べ物に含まれる「糖」を主な栄養源としています。

そのため、甘いものばかりを食べている生活を続けていると、プラークができやすく歯周病になりやすいといえます。

また、ストレスや睡眠不足が続くと身体の免疫力が低下してきて、より細菌が活動しやすい環境になり、その結果として歯周病になってしまうこともあります。

さらに喫煙は歯周病を悪化させる原因であり、実際にそれを裏付ける研究報告も多数報告されています。

歯周病を悪化させないためにも禁煙が必要といえるでしょう。
この喫煙に関する歯周病リスクについては『 喫煙者は歯を失いやすい!? 』で詳しく説明しているので御参照下さい。

歯周病治療

歯周病治療は口の中にあるプラークや歯石（プラークが時間の経過とともに固まったもの）を取り除くことを目的にしています。

そのための治療方法としてスケーリングとルートプレーニングがあります。

○ スケーリング
スケーラーと呼ばれる専用の歯科医療器具を用いて、口の中にあるプラークや歯石を取り除く歯周病治療法です。

この治療法では歯に強く付着した歯磨きでは取り除くことのできない歯石も取り除くことができます。

全ての歯をスケーリングする時の料金は、保険内治療の場合は約１千円であり、保険外治療の場合は約５千円～１万円です。

定期的にスケーリングを行う目安としては、３ヶ月～６ヶ月に一度が一般的です。

○ ルートプレー二ング
キュレットと呼ばれる専用の歯科医療器具を用いて、スケーリングでは取り除くことのできない歯周ポケットの奥深くにあるプラークや歯石を取り除く歯周病治療法です。

歯周ポケットの奥深くにある歯の表面は、細菌によって汚染されていることがあります。

この歯表面にある汚染物質をルートプレーニングで取り除くことが可能です。

全ての歯をルートプレーニングで治療する時の料金は、保険内治療の場合は約５千円であり、保険外治療の場合は約５万円～２５万円となっています。

この記事のまとめ
歯周病を予防するには毎日のプラークコントロールと生活習慣の見直しが大切。治療方法にはスケーリングやルートプレーニングがある。重度の場合は歯周外科も適応となる。

喫煙者は歯を失いやすい！？

喫煙の歯に対する影響は大きいです

平成16年度に行われた国民健康・栄養調査の中で、喫煙と歯の健康の関連性を調べる全国調査が実施されました。

結果としては、喫煙者は非喫煙者と比べて『歯を失いやすい』、『かむ機能が低下する』というデータが出ました。

さらに、『禁煙すると歯を失うリスクが低下する』というデータも示されました。
続きはこちらから。喫煙者の方は是非一度読んで下さい。

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