2020年12月15日 掲載 / 2021年1月16日 更新
歯原性腫瘍のWHO分類について
口腔の顎骨内には様々な疾患が生じますが、ほとんどが歯原性の嚢胞や腫瘍です。これらの病変の多くが似たような臨床像や画像所見を呈するものが多く、初期は無症状で発育緩慢で経過が長いです。そのため、病変部の膨隆や顔貌の変化、機能障害などによって見つかることが少なくないです。そして、歯原性嚢胞および腫瘍の分類についてはWHOの組織分類が頻?に利用されています。1971年、1992年、2005年、2017年とそれぞれ最新の組織分類が改訂されてきました。
良性歯原性腫瘍の分類
良性上皮性歯原性腫瘍
・エナメル上皮種
・腺腫様歯原性腫瘍
・扁平歯原性腫瘍
・石灰化上皮性歯原性腫瘍
良性上皮間葉混合性歯原性腫瘍
・エナメル上皮線維腫
・歯牙腫
・象牙質形成性幻影細胞腫
・原始性歯原性腫瘍
良性間葉性歯原性腫瘍
・歯原性線維腫
・セメント芽細胞腫
・セメント質骨形成線維腫
・歯原性粘液腫
・歯原性粘液線維腫
炎症性および発育性嚢胞
炎症性嚢胞
・歯根嚢胞
・炎症性傍側性嚢胞
歯原性および非歯原性発育性嚢胞
・鼻口蓋管嚢胞
・含歯性嚢胞
・石灰化歯原性嚢胞
・腺性歯原性嚢胞
・歯肉嚢胞
・側方性歯周嚢胞
・正角化性歯原性嚢胞
頸部およびリンパ節の嚢胞または嚢胞性病変
・甲状舌管嚢胞
・鰓嚢胞
・粘液嚢胞
・類皮および奇形様嚢胞
その他の骨嚢胞
・単純性骨嚢胞
・動脈瘤様嚢胞