2020年12月15日 掲載 / 2021年1月16日 更新
顎関節症とは
顎関節や咀嚼筋群の疼痛、関節部の雑音、顎運動異常を主な症状とする慢性症候群です。
顎関節症T型(咀嚼筋障害)
咀嚼筋群の疼痛、運動痛など。安静時の筋肉の緊張や筋肉の炎症が原因。
顎関節症U型(関節包および靭帯障害)
顎関節部の疼痛やそれに伴う開口障害など。関節包の外傷や関節円板の挫滅などが原因。
顎関節症V型(関節円板障害)
開閉口時の関節部雑音や疼痛など。関節円板の前方または後方への転位が原因。また、関節円板が元の位置に戻る(復位)ものとそうでないものとで症状に違いがでる。前方方向へずれた関節円板が口を開けることで元の位置に戻され、その際にカチッと音がなることをクリック音といいます。復位がない関節円板の前方への転移をクローズドロックといいます。
顎関節症W型(変形性関節症)
顎関節部の疼痛や関節部の雑音、顎運動障害など。下顎頭の変形や関節円板の穿孔などが原因。
顎関節症X型(T〜W型以外のもの)
様々な症状があり不定愁訴。
クリック音とは
口を開ける際に、前方転位した関節円板後方肥厚部を下顎頭がのって抜ける時に発生する関節雑音のこと。
クローズドロックとは
復位を伴わない関節円板前方転位でみられる。通常は口を開けたときに、下顎頭と関節結節の間に関節円板が挟み込まれる状態になる。しかし、関節円板前方転位が進行した結果、円板に非可逆性の変形が生じて、開口時に関節円板が挟み込まれることなくなる。そして、関節円板の介在がなくなることで下顎頭の運動障害が生じて開口障害となることをクローズドロックといいます。