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口腔ケアoral care

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令和元年5月1日 掲載 / 2020年8月15日 更新



口腔ケアについて

口腔ケアは単にお口の中をきれいにして清潔にするだけでなく、全身の健康維持にも大きな影響を与えています。

口腔ケアの目的や方法について正しく理解しましょう。



口腔ケア



目次
  口腔ケア(器質的・機能的口腔ケア)
  口腔ケアの目的
  口腔内細菌と全身疾患の関係
  口腔ケアを行う前に
  口腔ケアに必要なもの
  口腔内の観察ポイント



口腔ケアとは

口腔ケアには大きく2種類あります。

ブラッシングなどの器質的口腔ケアと摂食・嚥下機能の向上などの機能的口腔ケアです。

器質的口腔ケア
口腔内を清掃して清潔にすることです。

歯ブラシや舌、スポンジブラシなど用いて口腔内全体の汚れをとり、細菌の繁殖を防いで、
口腔乾燥・口臭・誤嚥性肺炎などの予防を目指します。
  うがい
  ブラッシング
  入れ歯・舌・口腔粘膜の清掃

機能的口腔ケア
機能訓練やマッサージを行うことで
口腔機能(食べる、飲み込む、話す)の回復および向上を目指します。
  摂食・嚥下機能の向上
  唾液の分泌促進
  発語・発音練習



口腔ケアの目的

口腔内は唾液による「自浄作用」によって細菌の活動を抑えることで清潔に保たれています。

しかし、高齢者では唾液の分泌量が減少して自浄作用が低下し、口腔内の細菌活動が活発になりやすいです。

そのため、口腔ケアによって積極的に口腔内の清掃を行う必要があります。
  口腔内を清潔な状態にする
  自浄作用の活性化
  食欲の増進
  生活の質(QOL)の向上
毎日の食生活で食事を美味しく味わったり、楽しく会話をしたりできることは生活の質を大きく向上します。

つまり、適切な口腔ケアによって生活の質の改善が望めます。



口腔内細菌と全身疾患の関係

現在、歯周病と全身疾患の関連性が様々に指摘されています。それらの中には糖尿病や肺炎、心疾患などがあります。

歯周病細菌が血液や唾液中から全身に入って悪影響を与えていると考えられています。

つまり、
口腔ケアを行い口腔内を清潔に保つことは全身疾患のリスクを減らすことに繋がるのです。
  糖尿病:歯周病と相互に症状を悪化させる
  肺炎:口腔内細菌が気管から肺に侵入し誤嚥性肺炎を起こすことがある
  心疾患:心筋に栄養を送る血管に血栓ができると、血管が狭くなり血液の流れが悪くなるが、その血栓の内部に歯周病細菌が確認されている。
  肥満:歯周病患者の方が肥満になりやすい
  脳梗塞:血管に詰まった血栓中に歯周病細菌が確認されている
  低体重児出産・早産:歯周病細菌の影響によって陣痛が促進されることによる


口腔内細菌と全身疾患


口腔ケアを行う前に

他人から口腔内を触られることは不快に感じます。

また、ケア器具の使い方を間違えると口腔内を傷つけ痛みを生じることもあります。

ケアを行う方と
意思疎通をとりながら、器具は無理な力をかけすぎないよう丁寧に優しく操作しましょう。

なお、自力で口腔ケアができる方の場合はできる限り見守って、能力の維持・向上を支えてあげましょう。

口腔ケアの前後には手洗いを行うことが大切です。

手には無数の細菌がいますので、ケアによって二次感染が生じないように注意します。

また、口腔ケアを行うときは手袋とマスクを着用し感染防止に努めるのが理想です。



口腔ケアに必要なもの

歯ブラシによるブラッシングのみでは不十分なことが多いです。

口腔ケアを受ける方の口腔内の状態に合わせた器具が必要となります。
  歯ブラシ
  歯磨き粉
  歯間ブラシ・デンタルフロス:
歯と歯の間は汚れがたまりやすく、毛先が届かない歯ブラシでは完全に取り除くことができません。

歯間ブラシやデンタルフロスを使って、丁寧に汚れをおとしましょう。

  スポンジブラシ
口腔内の汚れが多くたまっていたり、口腔粘膜に汚れがこびりついている時などに使用します。
粘膜や歯肉を痛めることなく清掃することができます。

  舌ブラシ
口臭の原因となる舌の汚れ(舌苔)を除去します。歯ブラシで清掃しようとすると、舌を傷つけることが多いので舌ブラシを使用します。

  義歯用ブラシ
口腔内だけでなく入れ歯もしっかり汚れています。専用ブラシを使って効率よく汚れをとりましょう。

  うがい受け容器
歩行困難で洗面所でのうがいができない方は、口腔ケア後のうがいに専用容器を用います。
口腔内に水をふくんでうがい後に容器内に吐き出すように指示して、うがい後の容器はしっかり洗って清潔にしておきます。



口腔内の観察ポイント

口腔ケアを行う前に、口腔内の状態をあらかじめ把握する必要があります。

その時に、明らかに汚れが多い場合は、スポンジブラシやうがいなどによって汚れをとっておきましょう。

また、口蓋(下図を参照)や喉付近にも汚れが付いていないかも合わせて確認しましょう。
  歯茎の腫れ・出血はないか
  口腔内の乾燥状態
  虫歯やグラグラしている歯がないか
  口内炎などの炎症はないか
  食べ残しがどこに多く残っているか
  舌の汚れはないか
  入れ歯はしっかり合っているか
口腔内の観察



口腔ケアの正しい姿勢・体位

仰臥位

誤嚥を防ぐための姿勢・体位

口腔ケアを行う時に注意するべきポイントは誤嚥を防ぐことです。

そのためには気道と食道の位置関係に気を付けて、適切な姿勢・体位をとることが大切です。
詳しくはこちらから。

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