令和元年5月1日 掲載 / 2020年8月14日 更新
口腔ケアを行う時の姿勢・体位とは
口腔ケアを行う時に注意するべきポイントは誤嚥を防ぐことです。
そのためには気道と食道の位置関係に気を付けて、適切な姿勢・体位をとることが大切です。
仰臥位
仰臥位では口腔内の水を吸引しない場合、水位が上がって食道の上にある気道の中に水が入り込みます。
水を使う場合は適宜吸引を行って、水が貯まり過ぎないように注意しましょう。
そうすれば、誤飲を予防することが可能です。
・口に貯まった水のこまめな吸引を心がけましょう!!
仰臥位での注意点
上図左の様に、枕やタオルを使って首をやや前屈させることで、水が気道に入りにくくなり誤嚥を防ぎやすくなります。
一方、上図右の様に首を後屈させることによって気道への通路が広がって誤嚥のリスクが高まります。
つまり、首の前屈は良いのですが後屈は危険です。
口腔ケアを行う時は、頭が後屈していないか注意しながらしましょう。
・首の後屈は誤嚥リスクが一気に高まるので注意!!
30度仰臥位
30度仰臥位では、気道が上で食道が下という位置関係が保たれ、重力によって口腔内の水は自然と食道に流れ込むため、誤嚥が生じにくい体位です。
ベッド上で口腔ケアを行う場合は、頸部や肩に枕やタオルを置いて固定して30度仰臥位にしましょう。
なお、その際に顎を上げずに引くように注意して下さい。
・30度仰臥位を目指しましょう!!
座位での頭の姿勢
座位で口腔ケアを行う時に、頭が後屈していると気道への通路が広がって水が入りやすくなるので誤嚥リスクが高まります。
口腔内をよく観察する為に頭を後ろに倒しがちですが、多少見えにくくなったとしても頭はやや前傾姿勢の方が安全に口腔ケアができます。
患者さんの口腔内を上から見ようとすると、どうしても後屈状態になってしまうため、出来る限り患者さんと目線の高さを合わせるような姿勢をとって口腔内を真横から観察しながら口腔ケアをします。
・頭はやや前屈姿勢に!!
この記事のまとめ
口腔ケアを行う際は誤嚥に注意が必要です。そして、誤嚥が防ぐために正しい姿勢・体位を患者さんにとってもらうことが大切です。30度仰臥位や座位での頭部前屈を意識しながら口腔内を観察して、しっかり清掃しましょう。
看護・介護現場で働く職員の方へ
口腔ケアは単にお口の中をきれいにして清潔にするだけでなく、全身の健康維持にも大きな影響を与えています。
口腔ケアの目的や方法について正しく理解しましょう。
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