平成31年4月18日 掲載 / 2020年6月12日 更新
歯石とは
歯石は歯垢が石灰化したものでリン酸カルシウムが主体です。
歯垢から歯石になるまでの期間は約2日間で、
歯石になってしまうと歯磨きでは取り除くことは困難になります。
そのため、歯石を除去するには歯科医院にある専用器具(スケーラーなど)を用いる必要があります。
目次
歯石の種類
歯石の構成成分
歯石の沈着部位
歯石の特徴
歯石の種類
歯石には歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石があります。
歯茎より上にあるものを歯肉縁上歯石、歯茎より下にあるものを歯肉縁下歯石とよびます。
歯石の毒性成分はプラーク細菌と変わりません。
歯石の表面は粗造なのでその部位に歯石が付着しやすく、
それによって自浄性が低下して口腔内細菌が活動しやすい環境となってしまいます。
とくに歯茎周りや歯周ポケットの歯石沈着は炎症を起こしやすく歯周病の原因となります。
そのため、歯石除去はプラークコントロールの中でもとくに重要といえます。
歯石の構成成分
○ 無機成分
リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸カルシウム
リン酸カルシウムの結晶形としてハイドロキシアパタイト、リン酸オクトカルシウム、第二リン酸カルシウム、ウイトロカイトなどがあり、歯石が沈着してからの時間によって結晶形の比率が変化します。
○ 有機成分
唾液の糖タンパク質、多糖類など
歯石の沈着部位
歯頸部や歯根面などの平滑面が主な歯石の沈着部位となります。
その他には奥歯にある歯の溝などにも歯石は沈着します。
とくに噛み合う歯がなくなって咀嚼で使わなくなった歯の咬合面全体に歯石が沈着することがあります。
歯石の特徴
2〜14日程度で歯垢の石灰化がはじまり、
8〜15日程度で石灰化が平衡状態になります。
なお、口腔内のpHが上昇すると歯石のできやすい環境となります。
pH上昇により歯垢中のムチンなどのカルシウム結合能力が増強し、
唾液に含まれるカルシウムやリンを引き寄せやすくなって石灰化が進行するからです。
歯肉縁上歯石:唾液が由来の淡黄色で下顎前歯部舌側面や唾液腺開口部にできやすい。
歯肉縁下歯石:歯肉溝の滲出液が由来で暗褐色をしている。
この記事のまとめ
歯石は歯垢が石灰化したものでリン酸カルシウムが主体。生じた部位に応じて歯肉縁上歯石と歯肉縁下歯石がある。ブラッシングで取り除くことは困難で、専用器具による除去が必要。歯周病の原因となるため、歯科医院で定期的に歯石除去するのが理想。
歯科衛生士の役割はとても重要です
歯・口腔の健康は、健康でより良い生活を送るために重大な役割を担っています。
また、近年では、さまざまな調査研究から「歯・口腔の健康と全身の健康の関係」が明らかになり、歯科衛生士の役割に関心が高まっています。
歯科衛生士は、歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図る(歯科衛生士法第1条)ことを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職です。
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