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慢性腎不全と歯科治療
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慢性腎不全と歯科治療
kidney failure
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2019年9月2日掲載 / 2020年1月10日更新
目次
腎不全とは
症状
病気分類
治療
慢性腎不全と歯科治療
腎不全とは
腎臓は、心臓から送り出されてきた血液から余分な水分や老廃物、酸、電解質をろ過して尿をつくり、身体の外に排出して、体液の量および質のバランスを保つ役割を担っています。
しかし、腎臓病が進行して腎臓の働きが弱くなると腎不全といわれる状態になります。
腎不全には、急激に腎臓の機能が低下する
急性腎不全
と
慢性腎不全
があります。
慢性腎不全は、数ヶ月以上の経過で徐々に腎不全になる非可逆性の腎機能障害で、体液のバランスが維持が出来なくなることにより生体の恒常性維持が困難となった状態のことです。
慢性腎不全は
腎臓の機能が正常の50%以下に低下した状態
のことをいいますが、無症状で進行していくことが多く、自覚症状を感じるようになる頃には、
腎臓の機能はもとの20%くらいに低下
していることが多いです。
さらに、
腎臓の機能が10%以下になると、透析や腎臓移植が必要
となります。
症状
腎臓の機能低下が軽度の間はほとんど症状がありません。
しかし、腎機能の低下が進行するとそれに伴って様々な症状が出てきます。
自覚症状として夜間の尿量が増える(とくに夜)、多尿、高血圧、貧血、食欲不振、倦怠感、皮膚のかゆみ、目や足の浮腫、息切れなどです。
初期は自覚症状が無いため、
早期発見のためには定期的な検査が有効
となります。
病気分類
第1期(腎予備能力低下期)
腎機能が50%まで下がる時期です。
腎機能としてはまだ明らかな異常はないため自覚症状もなく、血液生化学検査でも異常なしです。
第2期(腎機能障害期)
腎機能は50%〜30%まで下がる時期です。
腎機能低下によって夜間尿・多尿となりやすいです。
第3期(腎不全期)
腎機能30%〜10%まで下がる時期です。
腎不全に伴う自覚症状として易疲労感、食欲不振、倦怠感などが出てきます。
検査所見として、腎性貧血、高窒素血症、代謝性アシドーシスなどが認められます。
第4期(尿毒症期)
腎機能が10%以下まで下がる時期です。
意識障害などの中枢神経症状、高血圧症などの循環器症状、食欲不振などの消化器症状などが出てきます。
透析療法の導入や腎臓移植術の検討が必要となります。
治療
食事療法について
詳しい内容は『
腎臓病の食事療法
』を御参照ください。
薬物療法について
現在、腎不全に有効な特効薬はないため、腎不全によって生じる症状を改善させる目的で薬物療法を行います。
慢性腎不全の進行に影響する病気を改善したり(降圧薬)、慢性腎不全による症状を抑える(利尿薬)治療があります。
透析療法および腎臓移植について
腎機能が10%以下になったり、食事療法や薬物療法などの保存的治療で症状に改善が認められない場合は、透析療法(血液透析・腹膜透析)や腎臓移植による治療が必要になります。
○
腹膜透析
腹腔内にある腹膜の半透性を利用する血液浄化法です。
腹腔内部に透析液を入れて、腹膜の毛細血管の拡散現象によって透析を行います。
○
血液透析
体の外に取り出した血液を、透析器の半透膜を利用した拡散現象によって透析を行います。
透析によって老廃物などを除去してきれいになった血液は再び体に戻します。
○
腎臓移植
末期腎不全の唯一の根治療法で腎臓の働きを回復させます。
慢性腎不全と歯科治療
血液透析患者は循環器系の疾患を合併していることが多いです。
そのため、
治療中のモニタリングが有効
です。
なお、モニタリング時は圧迫によってシャント等が閉塞するのを予防するために、バスキュラーアクセスの位置を確認して、シャントがある方の腕で血圧測定を決して行わないようにしましょう。
シャント等の位置については透析主治医への対診で確認するようにします。
血液透析患者は、透析の際に血液を固まりにくくするための抗血栓療法を行っていることが多いです。
透析処置後も抗血栓療法による効果がしばらく続くために、
透析当日は出血が止まりにくい状態
となっています。
つまり、抜歯などの観血的処置を予定している場合は、非透析日に行わなければいけません。
また、その際に透析主治医への対診をして患者の全身状態を把握する必要があります。
一方、出血を伴わない一般的な歯科治療の場合は、透析当日でも治療可能となります。
血液透析患者でもう一つ注意しなければならないのが、投薬(鎮痛薬や抗菌薬など)についてです。
まず、
薬物の代謝および排出経路
を考える必要があります。
薬物の中には腎臓で代謝されるものがあり、血液透析患者では通常量を服用すると腎臓に大きな負担がかかり腎機能を悪化させてしまうリスクがあります。
そのような場合は、腎臓への負担を考えて通常の半量や1/3量に減量する必要があります。または、腎臓で代謝されない薬物の処方についても検討します。
詳しくは、『
透析患者への投薬ガイドブック 改訂 3 版
』に記載されていますので、血液透析患者の治療では一度確認する必要があるでしょう。
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この記事のまとめ
腎不全が進行すると血液透析が必要となります。そして、血液透析患者では歯科治療に際して注意しなければいけないポイントが幾つかありますので、正しい対応をしましょう。
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腎臓病の食事療法
タンパク質の制限が大切です
高老廃物の排出や血圧の調整、血圧を作るホルモンを出すなどさまざまな働きを担っているものが腎臓です。
腎臓の働きが低下した状態が腎臓病であり、その原因の一つとしてあげられるものが
食生活
です。
続きは
こちら
から。
腎臓に負担をかけない腎臓病の食事レシピ
腎臓に負担をかけないように注意です
腎臓病と診断されて食事を見直す必要がある場合は、
腎臓に負担を掛けにくい料理のレシピ
が参考になります。
和食であれば、茶碗8分目の低タンパク質ご飯に、ダシを含めた味噌汁と、サラダや焼き魚を加えたメニューがバランスの良い例となります。
続きは
こちら
から。
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