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歯周病と糖尿病の相互関係

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歯周病と糖尿病の相互関係periodontal disease diabetes

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2020年8月2日 掲載 / 2020年8月6日 更新



歯周病治療と予防方法



歯周病というと、歯や歯茎の周辺に口腔内細菌が入り込み繁殖することで炎症が起きる病気です。

症状が進行していくと歯と歯茎、いわゆる歯周ポケットが深くなり、

歯槽骨という歯を支えている土台部分まで細菌が侵食します。

そして最終的には歯槽骨が破壊されて、歯を失うことになる恐ろしい病気です。

歯を失えば会話や食事に支障がでるので、なんとかするべきものですが、

問題はそれだけで留まりません。

というのも全身疾患と深い相互関係があるからです。



歯周病治療



目次
  歯周病と糖尿病の相互作用
  口腔乾燥に伴う悪影響
  毎日の口腔ケアの重要性



歯周病と糖尿病の相互作用

歯周病との関係性が特に深い全身疾患が糖尿病です。

この2つの病気についてみていくと、

まず口腔内では細菌に感染した歯周ポケットではサイトカインという化学物質がつくられます。

サイトカインという物質は炎症の反応を強める働きがあるのですが、

それが血液中に入り体中を巡ると血糖値を下げるインスリンの働きを弱めてしまいます

これにより、食事などで上昇した血糖値がなかなか下がらなくなり糖尿病が進行していきます。

サイトカインがもたらす働きを、インスリン抵抗性と言います。

すると、体はこのままではいけないとインスリンをより多く作ろうとがんばります。

でもサイトカインによる影響がなくならない限りは血糖値が下がらないので、

インスリンを生み出す細胞が疲弊して糖尿病がさらに深刻な状態になります。

そうして糖尿病が進行すればどうなるのかと言うと、

高い血糖値では白血球の一種である、好中球の働きが鈍ります。

この好中球というのは、

体外から侵入したウイルスや細菌を退治する役割を持っています。

また血液中の糖分をエネルギーとして取り込むことが出来ませんから、

体の細胞は栄養不足で十分に力が発揮できなくなります。

その中に免疫細胞もあるので、

好中球に起きていることもあわせてウイルスや細菌に対する抵抗力が著しく落ちてしまいます

細菌への抵抗力が落ちれば、感染症の一種である歯周病の症状は、

ますます進行して止まらなくなります


細菌によって骨や歯茎の組織が破壊されるとき、

健康な体であれば自己治癒力である程度は修復できますが、

糖尿病がひどくなればその力も低下します。

そのため、破壊された組織は修復することができずに、

症状がひどくなるばかりです。




口腔乾燥に伴う悪影響

糖尿病患者の特徴である口の乾燥も、ここでは問題です。

糖尿病患者の体では、高い血糖値をなんとかしようと頻繁に尿を出します。

そのため
脱水症状になり、

体に必要な水分が足りなくなることで唾液も出なくなります

唾液は消化を助けるためだけに分泌されるものではなく、

口の中を清潔に保つための洗浄作用そして細菌を退治する
殺菌・抗菌作用を得るためのものです。

常に唾液が口腔内にあれば、細菌の繁殖を抑えることが可能です。

逆に口が乾燥していると、

細菌にとっては繁殖しやすい環境になりますから、歯周病菌が悪化します。





毎日の口腔ケアの重要性

歯周病と糖尿病の相互関係について調べたデータによると、

糖尿病の患者が新たに歯周病になる確率は、

健康な人に比べて2倍以上もあることがわかっています。

良い影響を与え合うのであればともかく、

悪い影響を与え合うというのは非常に危険です。

ただ、やり方によっては相互関係が良い方向に働くこともあります。

というのも糖尿病の治療をしていても効果があまりなかった患者が、

歯周病の治療をしてインスリン抵抗性を改善すれば血糖値を下げやすくなる可能性があるからです。

そして糖尿病の治療に成功して、

細菌に対する抵抗力を引き上げたり脱水症状を解消すれば、

口腔内の健康が保たれます。

糖尿病は悪くすれば、

心筋梗塞や脳梗塞など様々な合併症がでてくることを考えると、

血糖値のコントロールができるようになるのは重要な意味を持つことです。

もちろん、日頃から口腔内のケアをしておけば、

糖尿病の発症リスクを抑えられますし、歯を失うこともなくなります

そのためにも丁寧な歯磨きで細菌の繁殖を防ぎ、

歯科医院で定期的な検診を受けて歯垢や歯石を除去しましょう。





この記事のまとめ
口腔環境が歯周病によって悪化してしまうと、全身疾患である糖尿病にも悪影響を及ぼします。逆に、糖尿病で口腔乾燥状態になると歯周病もますます進行します。つまり、糖尿病治療によって歯周病が改善し、歯周病治療によって糖尿病が改善するといった相互関係が成り立ちます。これらの負のスパイラルに陥らない為にも、日々の口腔ケアがとても大切です。



歯周病治療と予防方法



歯周病治療と予防方法


歯周病の治療方法は大きく2種類ある
歯周病が疑われる場合、まずは検査を実施して症状の進行度を確認します。

そして、適切な治療方法が選択されますが、その治療方法は大きく2種類に分けられます。

まずは、症状の進行度にかかわらず行われる基本治療で、

最初にこの疾患の原因となる歯垢(プラーク)や歯石を取り除いた上で、

歯の表面をきれいにすることでプラークが付着しにくくします。
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歯科医院の新型コロナウイルス感染症対策



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歯科医院で実施している新型コロナウイルス感染症対策についてまとめてあります。
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歯周病対策=新型コロナウイルス感染症対策



歯周病治療で新型コロナウイルス感染症対策


歯周病治療が新型コロナウイルス感染症対策に繋がる?
歯周病が発症している状態は、少なからず口腔状態が悪化しています。

口腔内の免疫が低下しているわけですが、これは全身の免疫が低いとも考えられます。

歯周病になると糖尿病リスクが高まるのは有名な話です。

つまり、健康な口腔環境の人と比較して新型コロナウイルスの感染リスクが高くなります。
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歯の効果的な磨き方【磨き残し(プラーク)ゼロへ】



歯の磨き方


磨き残しを無くすための、効果的な歯の磨き方
歯をうまく磨きたいなら、

まずは歯磨きの必要性を把握する必要があります。

プラーク(または歯垢:歯の汚れ)を除去せずに放置していると、

虫歯や歯周病を招いてしまいます。

しかし、プラークは歯と同じ色で分かりにくいうえに、

水やお湯でゆすぐだけでは取り切れません。

そのため効果的な歯の磨き方とは、

プラークが溜まりやすいところを重点的に磨く方法を指します。
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赤ちゃんの正しい歯磨きの仕方



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生後6ヶ月を迎えた頃から

赤ちゃんの口内において乳歯が生え始めるため、

生後6ヶ月から口内を高い頻度で確認するようにし、

1本でも見つけられたら歯磨きを開始してあげましょう!!
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